循環器内科/心血管病治療センター
当科の特長
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循環器内科というと一般的には心臓だけを診ると思われがちですが、実際は、扱う疾患は心臓疾患(弁膜症狭心症心筋梗塞など)・手足などの末梢血管疾患・高血圧・不整脈・心臓リハビリと多岐にわたっています。当科は特に不整脈治療・血管内治療・心臓リハビリに力をいれております。当科では、胸を開くことなしに、カテーテルという細い管を手首や足の付け根の血管から入れて心臓の冠動脈、上下肢・腎動脈の"詰まり"の治療をおこなっています。技術や道具の進歩のため以前よりも入院期間が短縮され、通常の治療では3~4日という短期間の入院での治療となっています。

また、不整脈の治療も当科で行っています。脈が極端に遅いために起こる、めまいなどの自覚症状のある方へのペースメーカーの植え込みは以前からおこなっていました。しかし、ペースメーカーの植え込み後に心臓の働きが低下し、心不全となる方が中にはいます。これを防ぐために効果があると考えられている手法でのリードの植え込みを当科では積極的に進めています。また、最近、不整脈の治療でも、薬によらない治療があります。当科でも、本年度からカテーテルをつかった治療を始めました。特に脈がバラバラになり激しい動悸を感じる心房細動(長嶋茂雄さんの脳梗塞の原因)が高齢化とともに非常に増えております。発作的になる方は、一定の条件がクリアーできていれば、現在、カテーテルでの治療が第一選択となっております。現在、治療日が1日/月ですが、今後、検査日を増やしていくことを考えています。動悸の自覚のある方はご来院ください。

また現在、高齢化が急速に進んでおり、慢性の心不全患者さんが爆発的に増えていて、国会でも法案が通り、国家レベルでの対応となっています。心筋梗塞・弁膜症などで心臓の働きの弱った方は、入退院を繰り返し、徐々に心臓の働きが低下してしまう経過をたどります。この心臓の働きの低下を予防し入院のリスクを減らすには心臓リハビリが有効です。リハビリのスペース・スタッフ不足などから、現在、退院後の患者さまを対象としてリハビリを行い、対応できる人数に限りがありますが、ニーズの高い分野でもあり、将来的に拡充させたいと考えています。当科は24時間体制で循環器内科専門医での対応をしております。胸が苦しい。動悸がする。歩くとふくらはぎが痛い・だるいなどの症状があれば

お気軽に受診してください。

医師紹介
副院長
牧口 展子
出身・専門等
  • 旭川医大H7卒
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会専門医
  • 浅大腿動脈ステントグラフト実施医
部長
平山 康高
出身・専門等
  • 旭川医大H11卒
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会認定医
  • 日本心臓リハビリテーション学会認定指導士
部長
心血管病治療センター長
下岡 良典
出身・専門等
  • 旭川医大H18卒
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会専門医・認定医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本心臓血管内視鏡学会認定医
医員
品田 咲季
出身・専門等
  • 旭川医大R3卒
医長
三好 優史
出身・専門等
  • 旭川医大H31卒

主な治療対象
分類 疾患名
心臓・循環器系の疾患
  • 高血圧・心筋梗塞・狭心症・心臓弁膜症・不整脈・四肢血行不全(動脈閉塞・静脈炎)

治療実績
  • 2023年度
    経皮的冠動脈血管形成術(PCI) 209件
    末梢血管形成術(EVT) 73件
    ペースメーカー植え込み 新規:30件 交換:25件
    経皮的心筋焼灼術(ABL) 62件

    など

  • 2022年度
    経皮的冠動脈血管形成術(PCI) 213件
    末梢血管形成術(EVT) 77件
    ペースメーカー植え込み 新規:39件 交換:22件
    経皮的心筋焼灼術(ABL) 74件

    など

※経皮的冠動脈血管形成術(PCI)

狭くなったり、塞がった冠動脈の血管を押し広げ、血流を取り戻します。筒状のカテーテルを冠動脈手前まで挿入し、細いワイヤーで狭窄部位や閉塞部位を通過させ、ワイヤーに沿ってバルーンを膨らませ、その部位にステントを留置する方法が主な治療法となります。

※末梢血管形成術(EVT)

狭くなった血管を広げる治療であることはPCIと一緒ですが、主に下肢の動脈に対して行われる治療です。上肢や脳、腎臓に血液を送る動脈に行われることもあります。

重症下肢虚血への治療
重症下肢虚血の病気と治療
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足の血管がつまってしまった結果、指先などに潰瘍(治らない傷)や壊死(紫から黒く変色した皮膚)をきたしてしまった状態です。血管の動脈硬化が原因で、主に糖尿病や透析中の患者さんにみられることがあります。細菌感染も合併していることがあり、これらは自然に治癒することはありません。また、放置しておくと致命的な結果になることがあります。

治療には"足の先までの血流を再開させる"、"適切な傷の管理を行なう(場合によっては切断手術)"必要があります。当科ではカテーテル治療による下肢血流の再開を積極的に行っています。また傷の管理も循環器内科で一括して行っています。傷の治癒には1ヵ月以上かかることがあります。傷の治りが順調な患者さんは毎週火曜日のフットケア外来で傷の観察や処置を行い、傷の完全治癒までをサポートしています。



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治療前 治療後
カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療
主に心房細動の治療を行っております
心房細動
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心臓は一定のリズムで規則正しく動いています。心房細動とは心房と呼ばれる心臓内の部屋が小刻みに震えて痙攣してしまう不整脈です。そのため脈が規則性を失ってバラバラになってしまいます。自分の脈を30秒程度感じて、規則的でなかったら要注意です。

心房細動は動悸や息ぎれの原因になり、日常の生活に支障をきたすことがあります。また心房細動を放置すると心不全や脳梗塞の原因となる危険性もある病気です。心房細動は高齢化により年々増え続けていると言われています。

出典 Japan Lifeline "心房細動ナビ" https://www.shinbousaidou-navi.com/
カテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーション治療は、心房細動の原因の1つである肺静脈からでる異常信号が左心房に伝わるのを遮断する治療です(肺静静脈隔離術)。治療により心房細動の根治が期待できる患者さんが多くいらっしゃいます。

心房細動は恵み野病院の周辺地域(恵庭・千歳・北広島市など)でも増加傾向が予想されます。当院では地域の患者さんの心不全や脳梗塞の予防に貢献したいと考え、2019年から心房細動へのカテーテルアブレーション治療へ積極的に取り組んでいます。治療を安全に行なうためにCARTO3という最新の機械を導入しました。

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左心房の術前CT
実際のスケジュール

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療

  1. 3泊4日の入院治療になります。

    (お仕事などが忙しい患者さんへは2泊3日も対応しています)

  2. 入院の前に心臓のCT検査とエコー検査、PCR検査を行います。
  3. 実際の治療は入院2日目に行ないます。
  4. 全身麻酔で行ないます。治療時間は概ね2-3時間です。
  5. 足の血管(静脈)からカテーテルを入れます。
  6. 麻酔が覚めたら、手術後から安静度を拡大していきます。
  7. 術後2日間は、院内で心電図を確認しながら普通に過ごして頂きます。

詳しい内容は循環器外来へいつでもお尋ねください。

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